あたしと王子とバカ

「何かあったら教えてね!もし夏奈美がいらないんだったらキープ君にしたいからよろしくね!」



...なんてことを平気で言ってのける月子をある意味尊敬する。



月子を始め、いい加減バカ以外にも目を向けなと言われるけれども、何故かそれができない。



真面目なのかバカなのか...



「今日こそ冬沢君と別れるんだからね!」



帰り際、月子にそう念押しされて帰ってみたものの...



「スゥースゥー...」



バカは夢の中にいた。



「バーカ。」



そう言って軽く鞄をぶつけるが全く起きる気配がない。



このバカは一度寝たら絶対起きない。



はぁ...



また別れ話は持ち越しか。



諦めてシャワーを浴び、就寝準備をする。



そして、バカが寝ているベッドに潜り込む。



「かなみ~...」



その瞬間バカはギュッと抱き締めて私の髪を優しく撫でた。



私が後から布団に入ると寝ているはずなのに毎回こうしてくる。



...それがあたしは嫌いじゃない。