あたしと王子とバカ

「お酒は飲んでものまれるなだよ。」



空になったグラスを受け取り、ぽんっと背中を叩いた。



心配して現れた彼女が浮気!?と勘違いしても困るので私は足早にその場を去った。



「随分遅かったね。」



待っていた月子にトイレでの出来事を説明する。



可愛かったならナンパすれば良かったじゃんなんて月子は言ったけれど、さすがに彼女がいる人に手を出すつもりはない。



しかも、多分5つ以上年下なんてさすがに手は出せない。



まぁ、目の保養になったと思っておこう。



「飲んだ飲んだ!」


満たされたお腹をぽんぽん叩きながら、レジへ向かう。



「あっ...」



先にお会計をしていた2人組の片方がさっきの男の子だった。



なんだ。



彼女とじゃなかったのね。



「先ほどはありがとうございました。」



深々と頭を下げる男の子。



私の顔覚えてたんだ。



「いえいえ~。今度は気をつけてね~。」



復活したなら良かった良かった。



あたしはお会計を済ませた男の子にヒラヒラと手を振る。