あたしと王子とバカ

「まっ、それだけ好きだったんだから引きずりたいだけ引きずりなよ。そしたら、いつかまた好きな人できるって。」



月子はそう言って私のおでこをぺちんっと叩いて私の側を離れた。



...またいつか好きな人なんてできるのかな。



状況が状況なだけにネガティブになってしまう自分がいる。



「冷たッ!」



突然おでこがひんやりして驚く。



月子が濡らしたタオルをおでこに置いてくれたようだ。



「はい、どうぞ。」



そして、ほかほかのお粥を作ってくれていた。



それが卵お粥ではなく白粥だったことにホッとした。



「早く風邪治しなさい。」



「ありがとう...」



ふぅふぅと冷まして口に入れる。



「味薄い...」



「良いから黙って食べなさい!」



そう言えば月子は普段から全く料理をしないんだった。



お世辞にも美味しいとは言えないお粥だったけれど、心と身体をとても暖めてくれた。