あたしと王子とバカ

そんなあたしの視界に入る赤いバラ。



そっと触れる。



「痛ッ...」



人差し指にとげが刺さり、血がにじんでくる。



その花束をさっき手にしたゴミ袋に放り込んだ。



ごめんね、庄司君。



こんなにも桂史が好きなあたしは庄司君のことをやっぱり考えることが出来ない。



庄司君だけじゃない。



しばらく恋愛なんて考えられない。



庄司君にもきちんとお断りしよう。



あたしはケータイを手に取った。



開くと充電が切れたようで画面は真っ暗だった。



充電器を差し込もうと思ったけれど、止めてソファに放り投げる。



何だか電源を入れる気分にはなれなかった。



入れてしまったらあたしは...



桂史からの連絡を待ち続けてしまうから...



何も考えたくなくなり、あたしはベッドに潜り込んだ。