あたしと王子とバカ

「うわ!ごめんなさい!」



つまづいてしまったのはうずくまっていた男の人。



「あ...だいじょうぶです...」



いや、男の子。



二十歳そこそこの顔をしたその男の子の顔は真っ青だった。



私がつまずいたことには大丈夫と言ったけれど、別の意味で大丈夫じゃない!



「大丈」



「う゛ッ!」



顔を上げたからだろうか。



急に吐き気が襲って来たようで、慌てて男の子をトイレに押し込む。



間一髪...



吐き続ける男の子の背中をさすり続ける。



お酒が強い私はいつも介抱役だからこういうことには慣れている。



「すいません...」



全てを出し終えた男の子に水を渡す。



少し顔色が良くなった男の子。



よく見ると可愛い顔をしていて、意外に背も高い。



きっとこれは彼女と飲んでいて飲み過ぎたけれど、カッコ悪い所を見せたくなかったに違いない!