「うん!須藤美月、今日も美人じゃん!」
部屋の鏡の前でニッコリと微笑んだ私をドアの外で呆れ顔で見つめるママ。
「なにやってんの!ほら、お弁当よ」
「ありがと!ママ」
高校に入学して1ヶ月がたった。
私の中学とは変わらないオテンバぶりにさすがのママも呆れ果てていた。
もうすぐ16歳の私は少しずつでも大人に近づいているのだろうか。
ううん、まだ大人になんてなりたくない。
だって、まだ、大好きなパパとママの子供でいたいから。
私はまだ本当の恋なんて知らないけれど、パパとママの愛が本物だってことはわかる。
いつか聞いた。
子供心にも微かに記憶に残っているパパの優しい声。
「パパは永遠に片想いでもいいくらい、ママを愛したんだ」
……私も、そんな恋がしたい。
須藤美月、15歳。
春の風のように無垢な魂を胸の奥に抱きしめたまま、
私はまだ……恋さえも知らなかった――――。
部屋の鏡の前でニッコリと微笑んだ私をドアの外で呆れ顔で見つめるママ。
「なにやってんの!ほら、お弁当よ」
「ありがと!ママ」
高校に入学して1ヶ月がたった。
私の中学とは変わらないオテンバぶりにさすがのママも呆れ果てていた。
もうすぐ16歳の私は少しずつでも大人に近づいているのだろうか。
ううん、まだ大人になんてなりたくない。
だって、まだ、大好きなパパとママの子供でいたいから。
私はまだ本当の恋なんて知らないけれど、パパとママの愛が本物だってことはわかる。
いつか聞いた。
子供心にも微かに記憶に残っているパパの優しい声。
「パパは永遠に片想いでもいいくらい、ママを愛したんだ」
……私も、そんな恋がしたい。
須藤美月、15歳。
春の風のように無垢な魂を胸の奥に抱きしめたまま、
私はまだ……恋さえも知らなかった――――。