不器用でも、俺を精一杯愛してくれる人、それは…








ハル…。








アキトは突然走り出した。



勢いよく美術館から飛び出ると、数十メートル先にある噴水の前に女の子が立っているのが見えた。




「……ハル…?」


ハルは、アキトの声に気付き、アキトの方を見た。



「…アキト!?!?」



アキトはハルの方へ歩いて行った。


「びっくりしたぁ!!!今日見に来てくれてたんやぁ?ありがとねっ♪」



アキトは歩き足を早めてハルの元へ駆け寄り、ハルを思い切り抱き締めた。




ハルは驚いていた。



「ちょっと!!皆見てるって!!…アキト??」



「………絵、よく描けてたで。」




「…ありがとう…。」


真っ赤な夕日が二人を照らし、二人の陰は遠く延びていた。