「で、ではこの訳を服部!」

「…」

「…服部?」



何してんだ、コイツ…


「…おい、当てられてんぞ」

「…」


何で反応しねぇんだよ。

机に突っ伏して寝てるわけではない。


「服部ー」

「えっあ、はい?」

先生が近づいて来て、
ようやく我に戻ったらしい。



「ここの訳言えるか?」

「はい、《私たちは――…》」


何事もなかったかのように、
教科書の本文を訳していく。

…今の、明らかおかしいだろ…






休み時間になると、
そいつの友達らしき奴が
すごい勢いで
俺の隣の机に飛んできた。