2時間後。遊園地に着いた俺達は館内の地図を広げて見ながらそこら辺を歩いていた。


「ねえ蓮君。ジェットコースター乗ろ?」彼女は目を輝かせながら地図に書いてある『ジェットコースター』という字を指指した。


彼女は大の絶叫マシーン好きで俺達の通ってる『桜両高校』の中では右に出る者がいないと言う。


ちなみに蓮とは俺の事。俺の名前は『我那覇 蓮』。そして彼女の名前はと言うと・・・。




実は俺は彼女の名前を一度も聞いたことが”無い”んだ。


何度も何度もチャンスをうかがってはいるんだが、これが中々どうして上手くいかないんだ。


訊こうと思ったら友人に呼び止められるわ、友人から誘いの電話は来るわ、人が操ってんじゃないの?ってぐらい急に雨が降ってきたりと、中々訊くことができないんだ。