桜星サンセット

アンのモテっぷりは学校の中だけではなかった。

道でも駅でも電車の中でもメモや手紙を毎日渡された。

「アン今日だけで何人目?そんなにモテるってどんな感じ?」

「私はもうすぐ落着くわ。次はコウの番。もうすぐ、もうすぐよ」

「私の番って?」

「だからもうすぐ分かるわ」

意味有りげに微笑んでそれ以上言わなかった。

そしてそのあと暫くして本当に私の番が来た。

私にそんな日が来るなんて想像さえもしたことが無かった。

始まりはトイレの前だった。

アンと一緒にトイレに行き、先に出た私はアンを待っていた。

そのホンの1、2分の間に3人もの人に次々と手紙を渡された。

最初アンに渡して欲しいと言うのかと思ったが、その少し汗で湿った封筒には私の名前があった。