桜星サンセット

みんなが私を見ていた。

私に、聞けって無言の圧力をかけているのだ。

なんて聞けばいいの?聞けないよーー。

「アンちゃん彼氏いないんだよね?」

痺れを切らせて舞ちゃんが聞いた。

「うん。いないよ」

いつものようにさらっとアンが答える。

「どんな人が好み?」

「好み?うーーーん、特に無いかな」

「生徒会長は?」

ずっと黙っていた絵梨ちゃんがはっきり聞いた。

「田代さん?うん、かっこいいね」

うわー、やっぱり、と小さく歓声が上がる。

「つきあうの?つきあうの?」

ここまできたらもう止まらない。

「つきあわないよーー。何にもいわれてないし。そんな感じじゃないよー」

アンは笑い飛ばした。

そうなんだ。

生徒会長だったら最高の彼氏って言えるのに、でもちょっと安心だったりして。