桜星サンセット

「ありがと、ママ。じゃあ、コウ、私の部屋行こう」

「ありがとうございました」

もう一度お礼を言って頭を下げた。

「あ、お金・・・」

「あら、コウちゃんは律儀ね。そういうの好きよ。コウちゃんはタダ。ずっとね。それにしてもそのワンピース素敵ね」

「これ、実はお母さんのなんです。若い頃着てたって」

内緒にしておこうと思っていた事が素直に口をついた。

「そう。デザインも縫製もしかっりしてて一生着れるわ。コウちゃんのお母さん良い趣味ね」

お母さんの事をほめられた事がすごく嬉しかった。

そうだ、お母さんのケーキ。

「あ、これお母さんが焼いたケーキです。よかったら」

「良い匂いがしてると思ったらそれかぁ。じゃあ、お茶入れて部屋に持って行くわ」