桜星サンセット

「ママ、よろしく」

「OK!久しぶりにワクワクするわ。こんなにやりがいのある子初めてよ」

「どうするの?私はコウの黒髪を生かしたほうが良いと思うんだけど、ママはどう?」

「そうなのよ!黒髪のストレートは絶対。問題は長さよ。ロングが理想なんだけどちょっと足りないのよねー」

私の頭の上で話が進んでるけれどさっぱり分からない。

私髪切るの?

「あのーー、私どうなるんですか?」

「あら?アン何も言ってないの?」

「うん」

なんでもない感じでさらっと言った。

「だめじゃない、女にとって髪は命なのよ。不安にさせてごめんなさい。アンに頼まれたのよ。大事な人だからとびっきりきれいにして、って。」

「私の髪もママに全部お任せなの。だから大丈夫よ」

「はっ?アンは確かにすっごく似合っててかわいいけど、私にその髪は無理!絶対おかしいもん」

必死に言った私の言葉に2人は噴出した。

「コウちゃん、おもしろいわー。コウちゃんとアンは違うの。コウちゃんにはコウちゃんに似合う髪があるから、その一番を私が見つけ出すわ。人生が変わるくらいの一番を」

私の不安を包み込むような柔らかい笑顔で言った。