桜星サンセット

一口ジュースを飲む。

何だか急に恥ずかしくなる。

私服の加藤先輩、初めて見る。

カーキのTシャツがよく似合う。

裾の方には絵具が付いていた。

「もしかして絵描いてたんですか?」

「うん。部室で。来る?」

「はい」

見たい。

すっごく見たい、先輩の絵。

「先輩、美術部だったんですね」

「そーだよ。3人だけのつぶれそうなね」

部室は生徒会室の向かいにあった。

小さな部室に沢山の画材やキャンバスが置いてある。

窓からの光が一番よく射した場所に、使い込まれたイーゼルに真新しいキャンバスが置かれていた。