桜星サンセット

加藤先輩の方をチラッと見て続けた。

「加藤君は何も言ってこないと思う。これも余計な事になっちゃうけど、1年の時同じクラスの子とつきあってたんだけど、すぐ別れちゃったの。それがトラウマになっちゃててね。それから彼女作らなくって」

心臓がドキドキしている。

遥さんの言葉がちゃんと理解できない。

トラウマ?

「私が勝手にこんな事言ってごめんね。ただ、これまで通り仲良くしてあげて欲しいなあって思って」

「あ、それは・・・、私も、仲良くして・・・」

上手く言葉が出てこない。

「ごめん。コウちゃんを困らせちゃっただけだね。ホントにごめん」

「いえ・・・」

手を合わせて謝る遥さんにそれしか言えなかった。