桜星サンセット

「先輩、ありがとうございます」

「気に入った?」

「はい!!全員いるなんてすごい」

「最初はうちのグループだけ描こうと思ったんだけど、書き始めたら止まらなくなっちゃって」

看板を眺める満足気な横顔。

「コウちゃん私の見てよ」

遥さんが興奮気味に言った。

「ネイルのとこ。こんなとこまでちゃんと描いてあるの」

看板の中の遥さんの爪にはラインストーンや真っ赤なバラが載っている。

「うわー、かわいい」

「コウ、私の見た?」

アンに手を引っ張られて今度はアンの絵を見る。

「私の、髪と眉と目の色。バレてるんだもん、びっくりしたよ」

アンの絵は本人と同じ、髪は赤茶、目は黒、眉はその中間の色。

「さすが芸術家だね。多分普通の人とは見え方が違うんだと思うわ」

アンらしい冷静な分析だけど、私はただ単に人が好きなんじゃないかと思う。

人が好きで、人を喜ばせたい、楽しませたいって事じゃないかな?

だってみんながこんなにハッピーになってるんだもん。