桜星サンセット

「あの時はホントに嬉しかったなぁ。努力が報われたって感じ？」

こっちまで笑顔になってしまう。

「本当は告白はアツヤにさせたかったんだけど、我慢できなくて私の方からしちゃった」

かわいい、遥さん。

「恋愛対象として意識させる、かぁ」

アンがため息混じりに言った。

アンの場合学校も違うし、うまくいくかなぁ？

「なんかこんな作戦ちょっとズルイかもしれないけど、必死だったからね、私。アンちゃんはアンちゃんのやり方で頑張れば良いと思うよ。いつでも相談に乗るから」

「はい、お願いします！」

思わず私が言ってしまい、遥さんに笑われた。

私もなんだかおかしくて一緒に笑った。

そこでチャイムが鳴り、遥さんは彼氏と寄り添って歩いて行った。

その後姿を見ながら、アンが言った。

「なんか元気出た。具体的に何をするのかは分からないけれど、私、頑張って良いんだよね？」

「うん。絶対協力するから」