桜星サンセット

「あの、このコースターの中に少しだけ当たりみたいなの入れたらどうですか?それに当たった人は、タダとか、何か1品サービスとか・・・」

「それ、いい!!楽しいよ絶対」

「うん、いいね。ちょっとしたサプライズ。いいアピールポイントにもなるし」

みんなが賛成してくれてすっごく嬉しい。

勇気を出して言って良かった。

早速、出来上がったコースターから30枚ほど取り、加藤先輩が裏に手書きで絵を描き始めた。

自由の女神や、黒人さん、これは・・・マリリンモンローだ。

一枚一枚全部違う絵。

「なんか、仕事増やしてすみません」

小さな絵だけど30枚は大変だ。

「ううん、実はオレああいう単純作業苦手なんだ。こっちの方が全然楽しいよ」

本心なのか私を気遣ってからなのか分からないけれど、子供みたいな無邪気な笑顔で言った。