LOVE OF DISTINY〜最低で構わないから〜【完】

「僕たち結婚式での写真です。
真ん中で、満面の笑みをピースしてる成美ちゃん…また僕に見せて下さい」



「え?」



「香椎さんなら、笑顔にしてくれる筈です。強がってばかりですが、泣けるようになった。後はもう、笑顔だけです」



芽ちゃんの大きな声が聞こえ、煙草を灰皿に捨てて、写真を返した。

喫煙所から出ると、芽ちゃんと手を繋ぐ成美が、俺たちに気付き、近付いて来た。



「誠之介君、余計な心配掛けてごめんね」



「謝らなくて良いよ。僕も帰らなくてごめん」



「ううん。私は、大丈夫だから」



誠之介さんは成美の頭を撫で、俺たちに頭を下げて、病棟へと向かった。