Wデートが決行される今日、仕事は休みにしたが、優里を呼び出した。
優里の出先だった傍の公園に入り、離れながらも並んでベンチに座る。
「その表情は、あまり良い話じゃなさそうね」
煙草を吸い始めた優里は、夏が近付き、鋭くなった陽射しを睨みながら、俺を見た。
「俺、どうでも良いが、お前が浮気してるのは知ってる。俺自身も、愛するヤツを見付けた。だからもう、終わりにしたいんだ」
「…“どうでも”ね」
「あぁ」
別れはきっと、優里も前々から感じてただろう。
自分に興味を持たない男に、こいつも興味はない筈だから。