最初は芽と、“カッコいいね”と、ただそれだけで盛り上がってた。

けど、今は律儀なところも好き。

お客さんの中で、正直な話…一番に感じが良い。

常連さんで、仲良くしてくれる人を除いては。



「あ…ッ゛!!」



「い、いきなり何?!;;」



いきなり大声を出した芽にドキッとする。

だが、芽の手にブランド物のキーケースがあり、彼のだと確信。



「仕方ない!代わりに届けて来て!」



「私が…?」



「好き。…なんでしょ?」



芽にはお見通しみたいだ。

私は「ごめん」と伝えて、お店の外へと走った。