LOVE OF DISTINY〜最低で構わないから〜【完】

歩ちゃんの祖父母宅にある遺影も持って来てくれて、スタッフさんにお願いし、2人の遺影を飾る台を用意して貰った。

焼香をしてると、芽が並んでるのを見付けた。

下川さんに支えられながら、私と目が会えば、頷き、“大丈夫?”と言うかのよう。

私が頷けば、更に数回、頷いた。

夜勤明けの下川さんに、私たち3人は深く頭を下げた。



「泣くの、我慢しないでね…」



焼香を済ませた芽は、私の手を握り、それだけを言って席に戻った。

他の参列してくれた方々に頭を下げるのも忘れ、私は背を向けて、溢れそうな涙を指で弾き飛ばし、天井を見上げた。