LOVE OF DISTINY〜最低で構わないから〜【完】

でもやっぱり寂しくて、私はお通夜の間、天井と床を交互に見つめて居た。

明日の朝まで、線香とロウソクの火を欠かせない為、誠之介君と海斗はホールに残る事になり、私は控え室で仮眠を取らせて貰う。

海斗のコートを体に掛け、テーブルに頭を預けた。

テレビから聞こえる女性アナウンサーの声。

毎夜、見てるニュース番組。



「はぁ…っ」



でも、明日はここと火葬場の往復だけで、天気なんて関係ないんだ。

自分の肩を抱き締める体勢を取れば、コートから海斗の香水が鼻を燻る。

落ち着ける薫り。

このまま、朝まで寝れたら良いんだけどな……。