LOVE OF DISTINY〜最低で構わないから〜【完】

「わざわざ、悪かったな…」



「何よ。当然でしょ?海斗も気をしっかりね」



「あぁ、わかってる」



海斗と座り直し、人もだいたいは揃った為、式が開始された。

3人の紹介が進められる中、思い出が走馬灯のように甦り、目を閉じる。

泣きそうだったのに、今だけタイムスリップしたように、涙が出ず、楽しかった気持ちを思い出したんだ。



「――…っ」



右手を握られ、目を開くと、海斗が強く握ってくれて居た。

“1人じゃない”と、教えてくれてるように。

…そうだよね…。

私は、1人じゃない。

海斗も、誠之介君も…ちゃんと居る。

見失いがちな気持ちを、海斗が教え直してくれてる。