LOVE OF DISTINY〜最低で構わないから〜【完】

そうすれば、おっさんは成美に嫌われるしな。



「何でだ?俺ではないと何故わかる」



「――自分の失言を、考えればわかるでしょう」



「何が“失言”だ。君は私を――…」



「私は…主人だけです」



おっさんの話を進めようとした時、成美が口を開いた。

繋いでた手に、強い力を感じる。

小さい手で、昂る気持ちを抑えようと必死なのがわかる。



「気持ちはかわらないし…迷惑です!不愉快なんですッ!!」



叫ぶ成美の目に涙が見え、俺は成美を引き寄せ、抱き締めた。



「帰ろう、成美。子供に障る」



もう1人の体ではないんだから。