LOVE OF DISTINY〜最低で構わないから〜【完】

気付いた時には海斗の腕の中。



「ンッ――…」



唇が重なって居た。

道端なのも忘れ、海斗のキスに溺れてしまう。

徐々に目を離し、唇を離せば、鈴金さんの姿はなくなっていた。



「明日からは車で来い。あのおっさん…まだ諦めないだろうな」



「…わかった」



妊娠し、お腹が出て来た今は運転を控えたかったけど、今は仕方ないよね。

海斗にばかり頼ってられない。

不安を隠すように右手を海斗の左手と繋ぎ、腕に左腕を回してしがみつくように歩いた。

私には海斗が居る。

それだけで強くなれるんだから、大丈夫だ。