LOVE OF DISTINY〜最低で構わないから〜【完】

「シブヤさん、どうかした?」



突き出されてるシブヤさんの腕を押し下げた成美は、自身もあまり良い気分ではないだろう。

「いや…その、ね…?」と、苦笑いを浮かべながらも、顔を紅潮させる姿に、成美は「もう良いや」と、話を逸らした。



「ごめんね…;;永井さんの事、聞いてたのに…っ」



「ううん。別に大丈夫」



商品の入った袋を持ち、成美の鞄を持って歩き出す。

俺のジャケットの袖口を掴んだ成美に振り返り、歩幅を合わせる。



「もう、最低ッ――!!」



だが、二度目となる芽ちゃんの泣き叫ぶ声に足が止まった。