LOVE OF DISTINY〜最低で構わないから〜【完】

下川さんは「優しい子がキレると怖いよ?永井さん」と、彼女の次の言動を促す。



「私は今まで、度胸試しや根性焼き。喧嘩でも何でもしました。怖い事なんてないですよ」



「なら、表に出ようよ。立てなくなるまで、相手してあげるから」



「……っ、」



椅子から立ち上がり、首を回し、あらゆる関節を鳴らす芽ちゃんに、誰もが息を飲んだ。

いくら不良でも、まだ16歳。

彼女に至っては、顔面蒼白。

武道経験が長い芽ちゃんには、敵わないとわかるんだろう。



「……帰ろう?海斗」



「だな」



今は謝罪ですら、出来なさそうだし。