LOVE OF DISTINY〜最低で構わないから〜【完】

「お袋さんは亡くなったかも知れない。でも、愛はちゃんとあった。家族があった証。死は、悲しむ為にあるんじゃない」



「でも…」



「俺が明日、死んだとしても…君への愛が必ず、幸せへ導くよ」



「え…?」



耳を疑う彼女から目を逸らした。

…何、言ってんだ俺。

これだと、ただ困らすだけじゃねぇかよ。



「だから…その。お袋さんの愛が、新たな幸せをくれる。お姉さんの余命が短いとしても、不幸と思ってないかも知れないように」



誤魔化すつもりが、余計な事を言っただろうか。

だけど、彼女のお姉さんが、本当に不幸かなんてわからない。

悲しむ気持ちもわかるが、笑顔が見たい。