成美に「あそこで待ってる」と伝え、4・5mしか離れてない植え込みの段に腰掛けた。

ネクタイを緩め、苦しい腹を落ち着かせる。



「あの人と、結婚したんやな。
旦那さん、何度か店で見たわ」



…声、デカっ。

成美の声は聞こえないのは何故。

少しは聞こえても良いだろ。



「幸せそうで良かった。酷い目に遇わせて、後悔してたんや」



…後悔するの、遅いだろ。

その前に、後悔するような事をするな。

成美を傷付けて、楽しいのか。



「幸せにな?」



…お前が言うな。

あいつには祈られたくない。