LOVE OF DISTINY〜最低で構わないから〜【完】

「はぁ…。どんな展開だよ」



案内された席に座った海斗は、始まる前から疲れた顔をしてる。



「ごめんね?」



「成美が謝るな。1人で行かせてたら、後悔してた。断るわけにも、行かないしな」



どうして、こんなに優しいんだろう。

しかも、私の心配ばかりで。



「大好き…ふふっ」



海斗の耳元で囁いてみたが、思わず笑ってしまった。

改めて言いたかったけど、ムードもないし。

人が多い場所で、恥ずかし気もなく言って。



「可愛いな。家だったら…」



「ここで言わないの!」



海斗の唇を人差し指で押さえ、発言を止めた。