LOVE OF DISTINY〜最低で構わないから〜【完】

「無理にとは言わない。けど、吐ける気持ちは言って欲しい。泣いてる姿は、見たくない」



彼女は俺を見ながら、数回、頷いてくれた。

こんな事を言える立場ではないが、泣き顔を見るのが辛かった。

“見たくない”――…
そう、強く思った。



「親友にしか…話した事が、ないんですけど…」



「うん」



自分用に淹れたマグカップのブラックの湯気を見つめてると、彼女がタオルを膝に置き、口を開いた。

…親友だけって事は、彼氏には話してない?

そんな話を俺に…。

今になって戸惑うも、受け止めると決めた。