LOVE OF DISTINY〜最低で構わないから〜【完】

「え――…?」



思わず体が反応し、抱き締めてしまった。

小さな驚きの声を上げた彼女は、今度は俺が驚く位に抱き着いて来た。



「助けて…ッ…助けて………」



そう言って、俺の胸で泣く彼女。

何があったのか。

濡れた肩にジャケットを掛け、とりあえず自宅へ連れて行く事にした。



「入って」



「…でも…」



素直について来てくれたが、玄関で立ち尽くす彼女にタオルを渡し、リビングへと招く。

海花が勝手に置いてるココアを淹れ、ダイニングテーブルに置くと、ダイニングチェアに座ってた彼女は、タオルで顔を隠しながら、頭を下げた。