LOVE OF DISTINY〜最低で構わないから〜【完】

一体、営み事情から離れて、仕事の愚痴に、話題を変えた。



「相変わらず、お客様からの誘いは絶えないですね」



意外にも、仕事の話では、誠之介君が一番よく喋る。

接客業か誠之介君の宿命か。

顔立ちの良い彼がモテるのは、今に始まった事ではない。



「モテない俺に言わせれば、贅沢な悩みですよー!」



軽く酔って来た下川さんが拗ねるのも毎度の話。

こっちの彼の場合は、自覚がないだけ。

普通にカッコいいのに、隙を作らない。

無意識に壁を作る為、女は深く関わらない筈。

芽ちゃんだからこそ、入り込めたんだ。