タクシーで病院まで行くと、入り口の喫煙所で、誠之介君が缶コーヒー片手に、煙草を吸って居た。



「早かったね」



「うん。気になって…」



煙草の煙りや臭いも気にする事なく、誠之介の隣に座ると、深く息を吐いたのがわかった。



「お義父さんにはさっき電話で話したんだけど、歩美はもう2ヶ月も持たないと、先生に言われた…」



「……え?」



「元気は元気なんだ。でもそれは、麻薬の一種である薬で。その薬を止めれば、例え車椅子を使ってても、散歩が出来なくなる…」



…嘘…でしょ…?

この前、会った時の元気な会話は、薬のお陰で出来たって事?

歩ちゃんまで…居なくなるの…?