「成美ちゃん…起きた?」 「…誠之介…く…」 眩しい光。 暗い世界から抜け出した時、私は見覚えない部屋に居た。 カーテンが四方で締まり、マスクをした誠之介君しか居ない。 「私…ここ……」 「病院だよ。成美ちゃん、事故に遇ってね」 …“事故”? 私が事故に遇ったの? 「それで何だけど。手術の為に、その…」 「誠之介君…?」 「髪の毛を全部、剃ったのと。消えるらしいけど、顔や手足に怪我がね…」 誠之介君は気まずそうに言って、私の頭に被せといてくれた、歩ちゃんのニット帽に触れた。