時間を守ってても、罪悪感が湧いてしまう。



「この前な?先輩に教えて貰った居酒屋があんねん。そこ行かへん?」



「私は、構わないけど…」



デートの主導権は、100%彼が持ってる。

私は、ついて行くだけ。

連れて行って貰うだけ。

特に行きたい場所もないけど、店長に「福智さんは意外と自己中なんだね」と言われて、そう思うようにも、なってしまった。

彼氏を悪く思うなんて、どこまで私も最低なんだか。

落ちるとこまで、落ちた人間なのかも。

脳裏にちらつく、あのお客さん。

今日は、お店に来てるだろうか。