夜の20時を過ぎた。

眠くても眠れずに過ごしてると、誠之介君が来た。



「晩御飯、届けにきました。
成美ちゃんから教わってた隠し味を入れて、僕が作ったんですけどね」



紙袋からタッパを取り出し、「ご飯ありますか?」と訊かれて首を振る。

自分で買った炊飯器。

しかし、成美しか使ってない。

炊き方すらわからない。



「成美ちゃんに聞いてから、来れば良かったな;;」



「…成美、誠之介君のとこに?」



「はい。バイト先の女の子ん家に泊まったらしいんですけど、長居させるわけにも行かないですし」



帰って来ない成美。

もう、戻って来る気は、ないのだろうか。