「――ちゃん…成美ちゃん!」 「ん……?」 体を揺すられ、目を開けると誠之介君が帰って来て居た。 部屋にはカレーの匂いが充満して居て、鼻がピクピクと反応する。 「美味しそうな香り」 「カレー作ったし、食べようよ」 「うん。ありがとう」 ソファーの前に置かれたガラステーブルに、カレーと卵スープが置かれる。 久しぶりに、人に作って貰った料理が美味しい。 「あのね?」 カレーに舌鼓を打ちながら、病院で海斗の元カノさんと会った事を話した。 聞いて欲しかった。