夜、19時を過ぎた頃、海斗が帰って来た。 着替えを済ませ、ダイニングチェアに腰を掛けた海斗の前にご飯を置いた。 「いただきます」 「…どうぞ」 海斗は何事もなかったように、いつも通り。 何も言わないつもりだろうか。 私が会ってた事、知らないしね。 …信じてて、良いんだよね? チラチラと海斗を見ながら、自問自答を繰り返す。 でも、こちらを見ないのは、後ろめたさなの? 私は茶碗と箸を置き、「あのさ?」と、声を掛けた。 「ん?」 嘘を吐くなら、上手くやって。 …私の目を見てよ…。