「当たり前やろ。俺が手取り足取り、教えたんやからな!」



「いやいや、成美ちゃんはお菓子の担当を初めてから、才能に溢れてましたよ?(笑)」



「そないやろうけど、俺が指示したら、売上が上がったやん(笑)」



「まぁ、確かに」



恩着せがましいというか、何というか。

癪(しゃく)に障る男だ。



「海斗君、決めた?」



「……行くか」



俺は結局、ただの客。

何か言える立場でも何でもない。

來と重い袋を持ち、家に帰る。

今夜は虚しいが、海花と來と呑めて良かったかも知れない。