LOVE OF DISTINY〜最低で構わないから〜【完】

涙を一粒溢した歩ちゃんは、深呼吸をして笑った。

もう見れない、綺麗な笑顔で。



『ナル?葬儀の間は仕方ないと思います。でも、3日が過ぎたら笑って過ごして下さい。私は、ナルの笑顔が、大好きだよ!
お父さん・誠之介…、そして、ナルの愛する貴方。どうか…成美を守り、支えて下さい。私はみんなを、愛してます。
私の分…何十年も、長生きして下さい。今まで、ありがとう…っ…』



…私こそ、ありがとう…。

映像が終わり、ビデオカメラの電源を切り、ティッシュで涙や鼻を拭く。

葬儀社の人と話が終わった誠之介君は、歩ちゃんの傍に座り、結婚指輪を抜きとった。