LOVE OF DISTINY〜最低で構わないから〜【完】

「誠之介君…ビデオカメラある?」



「あるよ。ちょっと待ってね」



誠之介君にビデオカメラを借りて、テープをセットする。

19XX年…私が3才の頃のものを、どうして宝箱に?

何か嬉しかった瞬間を、撮影してたのかな。



『はいでは、ママにお名前を教えて下さい』



『いならきなるちゃん!』



『今日は、歩ちゃんの為に、お歌を唄ってくれるんだよね?』



『うん!あゆちゃんに!』



…この映像…。

まだ、残ってたんだ…。

歩ちゃんが、転んで足を骨折して入院したから、誕生日のお祝いに、ハッピーバースデーと、みかんの花咲く丘を唄った。