両親が離婚し、母子家庭で育った。

忙しい母親の代わりに、厳しく育てたつもりだが…自己中に育ててしまって後悔。

泣いたら許してやった。

それを、一番に。



「…行けば良いだろ」



「はぁい!」



笑顔で頷く海花に呆れながら、來と家を出た。

面倒で仕方ない。

着いたら彼女も確実に居ないだろうし、気力も損ねる。



「あ、まだ居たのか!」



「これから芽と帰ります」



「送ってやれなくて悪い。明日、楽しみにしてる」



「…えぇ。おやすみなさい」



コンビニに入った時、彼女の声が聞こえた。

従業員控え室の扉の前。

…あの男は、誰だ。