LOVE OF DISTINY〜最低で構わないから〜【完】

「歩美にはない才能があるよね」



「デートで眉毛を揃えてくれたんだよね?」



歩ちゃんは生まれてから、七五三・結婚式・成人式でしか、メイクをした経験がない。

綺麗だから、メイクなんていらないけど、誠之介君と初デートに家デートを提案され、眉毛の手入れされたという話を聞いた時はショックだった。

前髪に隠された眉毛が…。



「でも、ギャップにグッとね」



「ノロケは聞いてませんが??」



「いや…すみません(笑)」



誠之介君は私の肩を軽く押し、煙草を灰皿で揉み消した。

起きて来た歩ちゃんに、「人の妹とイチャイチャしない!」と言われて、冗談なのに、本気で謝ってたけど。