翌日、海斗さんと父親の間で目が覚めた。
家族旅行は“みんな一緒”と、歩ちゃんが一部屋だけを予約したらしい。
広い部屋だから良いけど、一部屋はさすがにね。
父親と誠之介君の真ん中で眠る歩ちゃんは、酸素吸入気のチューブを鼻に宛がいながら眠ってる。
「今のうちに…」
私は鞄から洗面用具と着替えを持ち、お風呂場へと向かった。
朝から露天風呂なんて、滅多に味わえないから。
歩ちゃんは露天風呂を堪能する事が出来ないと思ったけど、誠之介君によれば、家族風呂にも露天があるとか。
良い旅館を見付けたよ、歩ちゃん。

