LOVE OF DISTINY〜最低で構わないから〜【完】

グラスにビールを淹れて貰い、誠之介さんとグラスを併せると、「今日はごめんなさい」と、歩美さんに謝られた。



「最初で、最期の家族旅行がしたかったの。海斗さんも含めて」



「そうだったんですね…。お招き頂いて、ありがとうございます」



別れが、すぐそこまで来てる事、どうやら彼女はわかってるみたいだ。

年上の自分が情けないほど、言葉に詰まってしまう。



「楽しく盛り上げたいけど、ナルには厳しいかも知れない。私が居なくなった時、あの子が誠之介の頼るとも思えなかったから、付き合ってる人が居て安心した。頼りになりそうだもん、海斗さん」



…俺はそんな、出来た人間でもないけど。