社ではおしとやかで、気品があると人気の優里だが、陰では女らしさに欠けてる。

部屋も汚く、いつも家で会う時は俺ん家。

無事に付き合えてたとしてても、結婚は絶対に見れない女。



「私、食べたし帰るわ。また明日ね」



「あぁ。気を付けて帰れよ」



玄関まで見送り、ゴミがそのままにされたリビングのローテーブルを見て溜め息。

煙草の封のビニールと銀紙まで、ぐしゃぐしゃに丸めて、放棄されてる。

男である俺が、袋に入れてるというのに。

…大した女だよな。

ーーピンポーンッ



「……はぁ」



片付けようとした瞬間、呼び鈴が鳴った。