“しゅーやさんマジ想像を斜めに越えてきたwww”
“宣材写真と別人すぎるんですけど本当に同一人物?整形?”
“事務所入ってから何があったの?w”
“声の仕事なのにここまでビジュアルに力入れてくるとか、ごめんちょっと気になってきたわ”
“見た目に反してインタビュー内容はいたって普通なのなw方向性が見えないww”
“身長高っ。モデル出身?”
“来年2月にビリケン最新刊発売キター!限定版はアニメ版ビリケン0話ドラマCD付。しゅーやさん演じる周たんの声が聴けるぞー!予約乗り込めー!”
“3月には1話先行上映イベント決定!周たんは出てこないけどなぜか出演者リストに桐原周也の文字がwヤバいw生で見てみたいww”



インターネットらしく独特な言い回しはされているものの、概ね好意的に受け止められているらしい。

私が作ったファンサイトのアクセス数も、良い意味で連日最高PV数を更新し、検索サイトで上位に表示されるまでに至った。

旧作であるはずの過春ことBLゲーム『過ぎた春に君を思へば』も、桐原周也効果で再び売り上げを伸ばしているらしい。


乙女ゲームへの出演、着ボイスの配信などを求める声もそこここで聞かれるようになった。


数ヶ月前には想像も出来なかった空前の盛り上がりに誇らしさを感じながらも、どこか寂しい気持ちを抑えて、私は桐原さんにメールを打った。


活躍されている様子が私の耳にも届いているので、本格的に忙しくなられてしまう前に、一度きちんとお祝いさせて欲しい・と。


バイトと仕事でとても忙しそうだったけれど、それでも桐原さんはとても喜んでくれたようで、翌月二人で会う約束をすることが出来た。


(もしかしたら桐原さんとこうして会えるのも最後かな……)


そう思えるほどに、桐原さんの名前はあちこちで聞かれるようになった。