〈「どうなっても知らないからな」〉

〈口腔に要の舌が入り込んでくる。唾液が混ざり合う淫靡な音に、ぞくぞくと頭の芯が痺れた。〉

〈いつの間にか、露わになった素肌に、要の手がぴたりとあてられる。〉

〈「くすっ……もう固くなってるじゃないか」〉

〈「あ、やっ……言わないで」〉

〈「俺で感じてるんだろ。もっと煽ってみろよ」〉

〈いきなりうつ伏せにされたかと思うと、羞恥を感じる間もなく、固く閉ざした入り口に太い指が押し込まれた。〉

〈「うぁ……っ、あ、あ……!」〉

〈「ああ、すごい……可愛いね、つばさ」〉




(――あ……なんか変な気持ち……)


ディスプレイ上で繰り広げられる淫らな行為と、ヘッドフォン内に響く桐原さんのサディスティックな囁き。

私は超えてはならない一線を超えようとしていた。

主人公への共感が、共鳴に変わろうとしているのがわかる。




〈腰を高く持ち上げられ、十二分に蕩けた場所へ、熱い切っ先がねじ込まれる。〉

〈「あ……あぁあ……っ!」〉

〈「くっ……力、抜け……よ」〉




(こんな……ことっ……BLCDを聴いてても、何とも思わなかったのに……っ)